男の秘密
「はぁ?!嘘だろ?!」

先ほど煩いと言っていた声より更に大きい声で叫んでいた。

「僕も驚いてるんですが、急に決まったらしくって・・まだ正式発表じゃないんですけど」

「あんな事を仕掛けてくるヤツが、いきなり引退って・・・どうなってるんだ」

森田との電話を終了させて、納得が行かない顔で木戸が話す。



その間忍は何かを考えるように黙り込んでいたが、急に電話をかけ出した。

「羽奈です。」

「神田亜里沙の件、何かした?」

「あら、やだ、私は特に何も。あぁ、そう言えば友人に、優の事を話したかしら・・・」

「友人・・・」

この台詞のさす友人が誰なのかはわからないが、多分彼女の言葉で誰か?若しくは何人かが動いたのだ。

今回羽奈が自分に接触する際に、電話番号を教えて貰った相手と、モデル契約をした椎名社長の二人は思いつく、椎名社長のような大物と繋がりがある羽奈なら、今回の神田亜里沙の引退も関係している可能性が高い。

しかも、直接神田亜里沙を引退させて欲しいとは言っていない筈。

もしかすると、神田亜里沙の名前すら出さずに、彼女を引退に追いやったのではないのか。

そう考えると納得出来るが、敵に回すと恐ろしい存在だ。

「えぇ。この前忍さんの携帯の番号を聞いた方に、食事のお礼をしたの。その時忍さんの話になって、話の成り行きでね・・・」

ふふふと笑いながらサラリとそう言った。

その人物が誰か知りたい気がしたが、答えることは無いと思い聞かなかった。

「明日の記者会見で、誠意を見せるよ」

「おい、忍!誰と話してるんだ?!」
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