男の秘密
『親しそう』

厨房に消えた女性の後姿を眺めていると忍から声がかかった。

「彼女はさやか、店のオーナーの隆司の奥さんだ」

「オーナーが忍さんの友人の方でしたね」

「そう。大学の同級生なんだ」

「大学のお友達だったんですね」

『さやかとも大学の友達なのかしら』



「いらっしゃい」

その声に振り向くと一人の男性が立っていた。

「隆司。久しぶりだな」

「本当に。前来たの一年近く前だぞ」

苦笑いしながら忍にそう言う。

隆司は忍より少し背が低く、175cm前後でどちらかと言えば細身だった。

少し癖のある、緩く巻いた髪を後ろに流していて、柔和な顔をしている。

類は友を呼ぶという言葉があるが、隆司も女性にモテそうな顔だった。

「そちらが例の」

「隆司」

隆司がチラリとこちらを見た後、意地悪そうな目で忍を見ている。

「例の?」
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