One more kiss
その後私は事務所を出て駅まで歩き、本来向かう筈ではなかった行き先の電車に乗り、その地で降り立ち、まるで夢遊病者のように、無意識のままに本能のままに、フラフラと歩を進めた。
そして気付いた時にはそこに佇んでいた。
数時間前にも訪れた、マコトさんのお店「Mocha」の前に。
営業時間はすでに終わっていて、出入口のガラス戸や窓にはブラインドが下りているけれど、あえてうっすらと光を通す素材らしく、店内の明かり、そして数人の人影が確認できた。
まだ中ではスタッフさんが動き回っているようだ。
後片付けはもちろん、技術向上の為の自主練習等で、かなり遅い時間までスタッフさんが残っている日が多々あると、マコトさんから聞いている。
もちろん、だからといって部外者が気軽に中に入れてもらえる訳がないし、むしろこんな時間に訪れるなんて迷惑以外の何物でもないのだけれど。
それでも私はここに来てしまった。
そしてどうしても、このまま帰る気にはなれなかった。
しばらくそこで迷った後、私は意を決して歩き出し、マコトさんの住居用玄関へと向かうと、ついに呼び鈴を押してしまった。
『はい』
しばしの間の後、インターフォンから男性の声が響いて来る。
機械越しなのでいつも聞いているのとは微妙にトーンが変わっているけれど、間違いなくマコトさんの声だった。
そして気付いた時にはそこに佇んでいた。
数時間前にも訪れた、マコトさんのお店「Mocha」の前に。
営業時間はすでに終わっていて、出入口のガラス戸や窓にはブラインドが下りているけれど、あえてうっすらと光を通す素材らしく、店内の明かり、そして数人の人影が確認できた。
まだ中ではスタッフさんが動き回っているようだ。
後片付けはもちろん、技術向上の為の自主練習等で、かなり遅い時間までスタッフさんが残っている日が多々あると、マコトさんから聞いている。
もちろん、だからといって部外者が気軽に中に入れてもらえる訳がないし、むしろこんな時間に訪れるなんて迷惑以外の何物でもないのだけれど。
それでも私はここに来てしまった。
そしてどうしても、このまま帰る気にはなれなかった。
しばらくそこで迷った後、私は意を決して歩き出し、マコトさんの住居用玄関へと向かうと、ついに呼び鈴を押してしまった。
『はい』
しばしの間の後、インターフォンから男性の声が響いて来る。
機械越しなのでいつも聞いているのとは微妙にトーンが変わっているけれど、間違いなくマコトさんの声だった。