恋色シンフォニー

第二楽章は、アンダンテ。
ヴァイオリンがゆるやかに、甘く優しいメロディを奏でる。

それはそれは甘く。
優しく抱きしめられて、愛をささやかれているようです……。

でも、そのメロディはたまに、翳りを帯びて、切なくなる。
圭太郎の孤独な一面と重なり、胸が苦しい。


中間部、曲の雰囲気はやや暗く、重くなる。
波立つ心や嫉妬といった、黒い感情を表現しているよう。



やがて、最初の甘く優しいメロディが戻ってきた。
でも、最初とは違い、試練を乗り越えて覚悟を決めたかのような力強さを持って奏でられて。

“君を愛する覚悟を決めた”

そんな気持ちが伝わってきて。


ゾクゾクゾクっと、
全身に、ものすごい鳥肌がたった。


涙があふれてくる。


ーーーありがとう、圭太郎。



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