婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)

私は覚悟を決めて、圭司の上にまたがった。

「なつ? 何してんの?」

突然の私の行動に、圭司は目を丸くした。

「見ればわかるでしょ 圭司をその気にさせてエッチするの…」

私は馬乗りの体制のまま服を脱ぎ、両手を押さえつけながら圭司の唇を強引に奪った。

「なつ よせ…」

圭司はそう言って、キスを拒んだ。
それでも、私は圭司の唇を逃がさなかった…

まるで、圭司を犯しているような、無理矢理なキスだったけど…
圭司は諦めたのか抵抗しなくなった。 

少しはこれで、その気になってくれたかな…
私はそれを確かめるように、そっと手を滑り込ませた…

えっ…
そんな…

圭司のそれは、少しも反応していなかった。

「どうして…」

私は圭司の胸の中に、ガクッと顔を落とした。

「なつ 今日は何されても勃たないよ だから もう おしまいな…」

圭司は私を抱えながら、ベッドの上に起き上がった…。
そして 床に落ちていた服を拾い上げて、私に着せた。

「酷いよ 圭司… 私には、今日が最後のチャンスだったのに…」

私は泣きながら、圭司の胸を叩いた…。

「ごめんな なつ でも 俺は子作りなんかより、なつの体の方が大事なんだよ…」

「圭司…」

「とにかく 今日は、ゆっくり寝て、明日にそなえ… なつ? どうした 大丈夫か?」

「うっ いたい…」 

私は、突然のお腹の激痛に、ベッドの上でうずくまってしまった。
今までのものとは、比べものにならない痛みに、次第に震えと冷や汗が出てきた。

「なつ 今 救急車呼ぶからな しっかりしろ なつ! なつ…」

私を呼ぶ圭司の声が、だんだんと遠くなっていった…。






 
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