婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
それから、一週間が経った。
おいしい空気を吸いながら、私は両親の元でのんびりと過ごしていた。
「お父様 少し休憩したら?」
私は父の好物の大福とお茶を持って、裏庭の小さな畑にいる父に向かって声をかけた。
「ああ そうだな。」
父は汗を拭きながら、ウッドデッキにあるテーブルへとやってきた。
「ねえ お父様、もしかして、また野菜でも育てるの?」
父の行動がイマイチ理解できずに、私は首をかしげた。
だって、また ハワイへとすぐに戻ってしまうのに…。
「ああ 実はな なつ… お父さん達、また こっちで暮らそうかと思ってるんだ。」
「え? そうなの?」
驚く私に、父はポツリと呟いた。
「ハワイにいたんじゃ、なつがなかなか里帰りできないだろ?」
「お父様…」
「なつ 今まですまなかった… 私は、あの事件の後、自分をずっと許せなくてな… もう なつの親でいる資格などないと思っていたんだ。でもな、圭司くんに言われたんだよ。 どうか、なつの親でいる事を辞めないで下さいって… なつにも、ちゃんと親孝行をさせてあげて下さいって… このままだと、なつはいつかきっと後悔してしまうからってな…」
「圭司がそんな事を?」
「ああ 圭司くんの言う通りだと思ったよ。私は自分の気持ちばっかりで、なつの気持ちも、お母さんの気持ちも全く考えていなかった。なつからお母さんまで奪って、何をやっているんだろうって思ったよ。それに、親でいる責任まで放棄したままじゃ、結局、なつに償うこともできないしな…」
「償うだなんて、お父様がそんな風に思う必要なんてないのに… でも、日本に戻ってきてもらえるのは、すごく嬉しい 圭司の言うとおり、私もちゃんと親孝行していきたいから…」
「そうか… ありがとうな なつ…」
お茶を飲む父の目に、涙が滲んでいくのが見えた。
ありがとう
圭司…
圭司の想い
ちゃんと大事にするからね…
澄み渡る青い空を見上げながら、私はそう心に誓った。