婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
「なつさん 良かったですね! おめでとうございます! 私も凄く嬉しいです。」
「うん ありがとう。これから、色々教えてね ゆずちゃん。」
「もちろんですよ~ 一緒に子育て頑張りましょうね あっ さっきは、育児ノイローゼなんて言っちゃいましたけど… 本当はそんなことないんですよ。どんなに大変でも、この天使のような寝顔を見たら全部吹っ飛んじゃいますから…」
ゆずちゃんはそう言って、連くんの頭をそっと撫でた。
そうだよね…
さっきは私に気を使ってくれたんだろうけど、ゆずちゃんの幸せそうな顔を見れば分かるよ…
連くんがゆずちゃんにとって、どんなに愛しい存在かなんて…。
「そうだ そろそろ、なつさん達が持って来てくれたケーキでも食べましょうか。今、紅茶も入れますね。」
そう言って、ゆずちゃんがキッチンへと立った。
「あっ ゆずちゃん 私の分はいらないから…」
「そうなんですか? やっぱり、つわりが酷いんですか?」
「うん 今日は大分楽にはなったんだけど… さすがにケーキはね…」
「そうですよね 私もつわりの時期は、グレープフルーツを丸かじりしてましたよ。あと、ところてんばっかり食べてました。」
ゆずちゃんが懐かしそうに笑った。
「そうそう あの頃のゆずは、ご飯の匂いを嗅いだだけで吐きそうな顔してたもんな…。」
聖也さんも思い出したようにそう言った。
「ふーん 大変なんだな 妊婦って…」
圭司がポツリと呟くと、ゆずちゃんがケーキとティーポットをテーブルに置きながら口を尖らせた。
「そうですよ だから、なつさんを大事にしてあげて下さいね。モテてる場合じゃないですよ~ 瀬崎さん。」
なんだか、ゆずちゃんは意味ありげな視線を圭司に送っている。
「別に、杉本に言われなくても大事にするつもりだし、モテてるつもりもないんだけど… 何か言いたげだな…」
警戒するように圭司がゆずちゃんを見た。
「ゆずちゃん、何か知ってるの?」
ゆずちゃんが、久々にスパイモードの顔になった。
「はい 実は、一昨日家に遊びに来てくれた同期の子から聞いちゃったんですよ… その子、今 瀬崎さんのアシストをやってる子で…」
「は? 藤森!? 何だよ あいつ、何言ったの?」
圭司は迷惑そうにため息を漏らした。
「この前、取引先に訪問した時、瀬崎さん、向こうの社長秘書に呼び止められて、その後、ふたりでどこかに消えちゃったって… 私の同期を先に帰らせて、美人秘書と何やってたんですか? もし 浮気なんてしてたら、私が許しま…」
「おい! ゆず 瀬崎さんに失礼だろ…」
聖也さんが、慌ててゆずちゃんの言葉を止めた。