婚約者はホスト!?④~守りたいもの~(番外編あり)
どうみても、俺が芹香を忘れられず、良く似たなつを利用したとしか思えなかった…。
浩太は、俺がなつに惚れていて、戻ってきた芹香を振ってまで、なつを選んだのだと言っていたけれど…。
どちらにしても、記憶が戻らない限りは、なつは芹香の身代わりでしかない…。
そんな気持ちを持ったまま、なつとの結婚生活など続けられる訳がないと思った。
入院している間、なつの方も俺のことを避けているようだった。
病院に来ても、用事だけ済ませると、すぐに帰っていってしまう。
今までと違う俺に、一番傷ついているのはなつなのだと感じた。
それでも 俺は、なつの知っている俺には戻れない…。
退院が決まった日、俺はなつに別居したいと打ち明けた…。
それが、二人にとっても一番いい選択だと思ったから…。
きっと なつも頷くだろうと思っていた。
けれど、そんな俺の予想に反して、なつは首を横に振った。
『私にチャンスをちょうだい もう一度、圭司のことを振り向かせてみせるから…。』
真っ直ぐに俺の目を見ながら、力強くそう言ったのだ…。
俺が芹香を愛していることも、その芹香にそっくりななつに戸惑っていることも…すべて承知の上だと言って…。
この子にそこまで言わせて、おれが逃げる訳にはいかないと思った。
なつは俺のことを、5年間…いや 付き合っている頃を入れたらそれ以上の間、俺を愛してくれていたのだ…。
今更 記憶がなくなったからといって、無責任なことをしていい訳がない。
俺は覚悟を決めて、なつと向き合うことを決心した。