政略結婚に隠された真実
聞いてる音楽も似ているみたいだし、もしかしたら匂いの好みも似ているかもしれない。
だって車の匂い、私が好きな匂いだし。
それに、触れられても…って、触れたか触れてないかぐらいだけど、頭ポンポンされても全くイヤじゃない。
イヤなときはほんとに鳥肌立つぐらいイヤだもん。

新と似てるし、(言葉を考えること)碓氷さんも友達じゃないと失礼よね?
うん、失礼だわ。

うん、決めた。



碓氷大翔。

君は、私の友達と認定しよう。


あは★・・・私・・・なんて・・・上から目線なんだろう・・・
でも、関わりたくもない人から友達に昇格だよ、良いことにしよう!

友人なら、いつまでも不機嫌モードは…モードって言ったって、マジで不機嫌だったんだけどね。
いつまでも不機嫌のままじゃダメだわ。普通に話さなくては!


そう思い立った愛梨は、横に立って背伸びしている大翔の前に立ち、左手を腰に当て、右手はビシッと大翔の顔の前へ伸ばし、言い放った。



「碓氷さん!私あなたの事、お友達と認定するわ!」



愛梨は、言い切ったわ!っと満足な顔をした。

そんな愛梨の前で大翔は、ぽかんとした顔をした。

だけど、その直後、あははは!と大翔はお腹を抱えながら初めて声を出して笑った。


「あはは!愛梨、それ、どういう心境の変化?」


さっきまで、キレイで落ち着きのある大人な笑顔しか見ていなかったが、この笑顔は大人な笑顔なんだけど、どこか子供っぽい表情が混じり、男の人なのにすごく可愛いと感じた。


こんな顔で笑うんだ。
大人な笑顔よりも全然こっちの方が良い‼


あれ?なんだろう?この暖かい笑顔なんか知ってる感じがする?

・・・そんなわけないよね!だって碓氷さんと会ったことないし。
知ってたら逆に怖いわ。

そんなことを心の中で思った。

そして、今日一日考えた事を話始めた。

「私が朝から夕方まで不機嫌だったんですけど、これでもいろいろ考えてみたんです。」
「それは…婚約破棄の方法…とか?」
「え?婚約破棄の方法…?いえいえ、そんなこと・・・・・よりも、碓氷さんのことです。」
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