秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
「・・・同じ社長秘書だし」

「私も同じ社長秘書ですよ」

「永遠さんとはいつから付き合ってんの?」

「あ・・・最近付き合い始めたばかりです」

「ふうん」

柾貴さんは頬杖を付き、私の目をジッと見つめ相槌を打つ。
小さな丸テーブルを挟んだだけの距離。

彼氏でもない男性に至近距離で見つめられ、永遠さんには申し訳ないけど、鼓動がドキドキした。


「…小池さんは永遠さんの素性を知ってるの?」

「永遠さんの素性?」


「永遠さんは何も話さないでくれと言ったけど…こんなにもいい女性に嘘を付くのは気が引けるし、可哀相に思えるから正直に話すよ」


『社長にはヒミツ』とか言うし、彼には特別なワケがあるのは分かる。
その秘密を知れば、私も同罪だと言った。
副社長も永遠さんの秘密を知っているけど、『彼を信じろ』と言って教えてくれなかった。
そのワケを知りたいのは山々だけど。


赤の他人の柾貴さんから訊いていいのだろうか?
でも、訊きたい。
好きな人の全てを知りたいと思うのは当然の心理だ。

「・・・彼の本名か神宮寺永遠。旧家の名家・神宮寺家の次期当主であり、食品メーカー『クリスタル』次期社長だ」


「あの神宮寺社長のご子息ってコトですか・・・」

「そうだよ。小池さん」

永遠さんが神宮寺家の御曹司。



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