秘め恋シンデレラ～隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS～

私は足早にレジに行って、浅香先生の新刊を購入し、ストア内にあるカフェでコーヒーを啜りながら本のページを開く。


浅香先生は大好きな推理小説家の一人で、大体購入する小説は推理小説が多い。

女なら恋愛小説を読むべきだと恋愛小説命の友達に言われたコトあったけど。

人の本の趣味はそれぞれだと思う。


「待った？」

柾貴さんもお目当ての本を購入し、私の座るテーブルに現れた。

「どうぞ。座って下さい」

私は目の前の椅子に置いていた荷物をどけて、座るよう促す。


「ありがとう」

「何か飲みますか？」

「俺はいいよ。で、何処まで読めた？」

「私はじっくりと読むタイプですから…まだ１０ページ目です」

「じゃまだまだ･･･事件は起こっていないね」

「ですね・・・」

柾貴さんの口調を訊いているとやはり栗原さんとどことなく言葉のアクセントが似ている。

「やっぱり親子ですね。栗原さんに口調が似てます」

「俺と親父は別の人間だと思いたいけど…俺も最近、似てると思い始めた。やはり、DNAは侮れないね」