秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
《22》ファミリー

香音side~

「お前の部屋は相変わらず散らかってるな」

「仕事が忙しんだから、仕方がないでしょ!勝手に来て、文句ばかり言わないで」

私は永遠さんとお兄ちゃんにコーヒーを出した。

二人は小さな正方形のテーブルで対峙した感じで腰を下ろす。


「俺の名前は小池晃弘(コイケアキヒロ)だ。神宮寺」

「お兄さんのコトは香音さんから訊きました。お二人の両親は既に他界され、お兄さんが香音さんの親代わりをしていると」


「何だか、コイツ妙に堅苦しいな」


「元は同じ会社の秘書で、今は会社を継ぐ為に父親の会社に勤めているの」


「会社の名前は?」


「『クリスタル』です」


「はぁ?俺も知ってる。大企業・・・もしかしてお前って御曹司?」


「まぁ、そう言うコトになります」


「・・・香音…お前…自分の立場を考えろっ。御曹司が相手にする女じゃねぇぞ。コイツはお前を騙してる」


自分の立場はお兄ちゃんに言われなくても理解している。

「香音さんとは結婚前提に交際しています」


「俺としては香音に茨城の実家に戻って貰いたいんだ。そして、壮一と結婚して欲しい」


「な、何で壮ちゃんの名前が出るの?どうして私と壮ちゃんが結婚しなきゃいけないの?」




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