秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
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柾貴の愛車で香音の実家に向かった。

「白菜って冬野菜だと思っていた」

俺は助手席の窓から白菜畑を見つめる。

「あれは春白菜。秋冬の白菜と比べると柔らかくて端々しいのが特徴で、サラダとしてのシャキシャキ感もあって美味いんだ」


「へぇーさすがは柾貴、物知りだな」

「永遠さんは食品メーカーの社長になられるんでしょ?」


「そうだ」

「なら、知っておくべき知識ですよ」

「柾貴、ありがとう」

「ふっ」
柾貴は軽く笑い、白菜畑の間の道を走った。

ナビの音声案内は終了し、周りの自然に調和した古びた家の前に停まった。

家の中から、香音が飛び出して来た。

「永遠さん、柾貴さんいらしゃい」

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