秘め恋シンデレラ~隠れ御曹司と甘く蕩けるKISS~
「大したもん作ってないが、食えよ。小池」
「いただきます」

私はダイニングルームの食卓の椅子に座り、彼の用意したモーニングをご馳走になった。

「一人で住んでいるんですか?」

「ああ」

これだけの部屋を借りようと思ったら、1ヵ月の家賃は幾らだろう?

そう言えば、麻生さんの実家は資産家だとの噂。

あの副社長の幼なじみだし、実は何処かの会社の御曹司だったり。

私は麻生さんの淹れたコーヒーを啜り、トーストを齧る。

「昨日の話だけど・・・」

昨日のコトは蒸し返さないで欲しい。

「あれは・・・」

「お互いに忘れた方がいいと思うのだが、小池はどう思う?」

「わ、私も同感です」

「それなら、忘れよう・・・」

麻生さんはコーヒーを一口啜り、安堵して胸を撫で下ろす。


鎖骨の見えるⅤ字型の黒の長Tシャツに細身のブラックジーンズ。
麻生さんは、ラフな格好も卒なく着こなしていた。


「野島さんってマジで酷い男だな。お前に同情するよ。小池」

「え、あ・・・どうも」


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