ライ・ラック・ラブ
「そうか。で、おまえはどうしてそのホステスのことを知ったんだ?」
「あの…マンションのエントランスにいて。どうやら私のことを待っていたみたいで…」
「分かった。この件は私に任せなさい。今後二度とおまえと顔を合わせることなどさせないよう、正君にも言っておくから。きちんと別れてもらうのはもちろんだ。だからこれくらいのことで結婚を止めるなんて言わないでくれ」
「“これくらいのこと”って……。正さんは、私を愛していないだけじゃなくて、私のことをさげずんているんですよ?そんな人と一緒に暮らすどころか、家庭を築いていけるとは、とても思えないわ!」
「聞き分けないことを言うんじゃない!大体、明後日が式本番だと言うのに、今更取り止めなんてできるわけないだろう?それこそ世間の恥晒し同然じゃないか」
「でも」
「でも、じゃない。春花。人は皆、完璧じゃない。誰にでも長所があるように、短所も必ずある。正君は仕事ができるし、経営の才能もある。将来性を感じる有望な男だし、立派な外見をしている。そんな男がおまえをもらってやると言ってくれているんだぞ。こう言っては何だが、おまえの顔は、悲しいことに父親の私によく似て、普段から無愛想に見えてしまう。おまえが男だったら、そこまで気にする必要もないんだろうが…。だからな、こういう機会でもない限り、おまえと結婚したがる男なんて誰もいないと思って、少々の欠点くらい、鷹揚に見過ごしてあげなさい」
「…分かりました」
「あの…マンションのエントランスにいて。どうやら私のことを待っていたみたいで…」
「分かった。この件は私に任せなさい。今後二度とおまえと顔を合わせることなどさせないよう、正君にも言っておくから。きちんと別れてもらうのはもちろんだ。だからこれくらいのことで結婚を止めるなんて言わないでくれ」
「“これくらいのこと”って……。正さんは、私を愛していないだけじゃなくて、私のことをさげずんているんですよ?そんな人と一緒に暮らすどころか、家庭を築いていけるとは、とても思えないわ!」
「聞き分けないことを言うんじゃない!大体、明後日が式本番だと言うのに、今更取り止めなんてできるわけないだろう?それこそ世間の恥晒し同然じゃないか」
「でも」
「でも、じゃない。春花。人は皆、完璧じゃない。誰にでも長所があるように、短所も必ずある。正君は仕事ができるし、経営の才能もある。将来性を感じる有望な男だし、立派な外見をしている。そんな男がおまえをもらってやると言ってくれているんだぞ。こう言っては何だが、おまえの顔は、悲しいことに父親の私によく似て、普段から無愛想に見えてしまう。おまえが男だったら、そこまで気にする必要もないんだろうが…。だからな、こういう機会でもない限り、おまえと結婚したがる男なんて誰もいないと思って、少々の欠点くらい、鷹揚に見過ごしてあげなさい」
「…分かりました」