ライ・ラック・ラブ

ご両親のことを知らずに育ったなんて…きっと子どもの頃は、いいえ、今でも辛い思いを抱えているに違いない。
けれど、隣に座っている佐久間さんからは、自分に誇りを持ち、胸を張って堂々と生きている、そんな雰囲気しか感じない。

清らかに輝いて見える佐久間さんがそばにいてくれるだけで、私の心が癒されていく。
この逆境にくじけない、そんな逞しい心を、隣の彼からもらっているような気がする。

フッと笑った佐久間さんは、何かを思い出したような顔をしながら、「そう言えば」と言った。