好きやった。
「井ノ原、今日はありがとな。プレゼント選びに付き合ってくれて」
「いーえ、無事にプレゼント決まってよかったな。彼女、絶対に喜んでくれるに」
「井ノ原のおかげやで、ほんまにありがとう。美亜、喜んでくれるとええなー」
肉まんに息を吹きかけてからかじりついた月島が、微笑みながらベンチに置いた紙袋に目を向ける。
月島が最終的にプレゼントに選んだのは、腕時計だった。白いレザーの華奢なデザインのペアウォッチを、贈ることにしたらしい。
前に彼女がお揃いのものをほしいと言っていたことを思い出して、ペアにしたのだとか。
ちゃんと、彼女のことを考えて選んだプレゼント。
……ほんと、コイツはあの子を大切に想っとるんやね。
それは見ているだけでわかる。羨ましいほどに、月島の心はあの子のものだ。
「……」
ときどき、とても未練がましいことを考える。
もしもウチが告白していたら、月島はウチを好きになってくれたのかな……って。
あの子に好きだと伝えられて、それをきっかけに一瞬にして恋に落ちた月島。
告白したあの子の立場にウチが当てはまっていたら、どうなっとったんやろう。そんな無意味な考えで頭の中がいっぱいになってしまう。
ちゃんと好きやって言っていたら……。
月島がウチを好きになってくれた可能性はある?
あの子のように、一瞬にして心を手に入れられた?
その問いがすべてイエスならば。
ウチは今、月島の隣で作り笑顔なんかしてなかったのに……。
月島に彼女ができずにいたら、ウチはいつまでもコイツの隣で自然に笑えていたのになあ。