好きやった。


「はあ、助かった……。ありがとな、井ノ原」

「それはええけど……。アンタ、もうちょい気つけたらどうなん? 前に肉まんで火傷したとか言うてたんやし、ちょっとは学習しなよ」


以前、激アツの肉まんで大火傷をした話を聞かされたことを思い出す。今年ナンバー2の月島ニュース。

あの話を聞いてからまだ1ヶ月も経っていないけど、なんだかだいぶ昔に聞いたような不思議な感じがした。

そういえば最近、ほんと聞かなくなったなあ。くだらないけど、いつもウチを楽しませてくれた月島の日常の話。

あの話を最後に、月島との会話の内容は彼女の話中心になってしまったもんね……。


再度ミルクティーを飲んでいた月島が、ウチの言葉に苦笑しながら口を開く。

自分の肉まんを食べながら、その声に耳を傾けた。


「気つけとったさ。でもほら、これはあんまんやし」

「……は?」

「肉まんは気をつけとったけど、あんまんは油断しとったってこと。先に肉まん食べたし、さすがにあんまんは冷めとると思ったんやけどな……。手強いわ、あんこ熱すぎる」

「いや、一気に食べるアンタがアホなんやろ……」


残ったあんまんのかけらを見ながらしみじみと言う月島は、かなり大真面目な様子だった。

残ったかけらを見る限り、ほぼ一口で食べようとしたに違いない。いくらなんでも、そりゃあちょっと無理があるだろう。

あんまんは半分こにしていたから断面は冷めているかもしれないけど、さすがに中までは完全に冷めてはいない。

現に先にあんまんを食べたウチも、中の方はちょっと熱いなと思っていたぐらいだ。猫舌ではないから、そこまでではなかったけど。


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