好きやった。
「ははっ、もう。ほんと、アホやなあ」
ウチと違って猫舌な月島。
それなのに前と同じような目に遭うなんて、本当に冷めていると信じていたのだろう。
その純粋な思いを真面目な顔で語られると、逆にアホっぽく見えてくる。
思わず声を出して笑いだすと、なかなか止まってくれなかった。
月島がそんなウチを見て、ちょっとだけむすっとした表情になる。
「ひでぇなあ。人が火傷したっつうのに笑うなんて」
「いや、ははっ、だって……。てか、また前みたいに大火傷なん?」
「いや、ちょっとヒリヒリするぐらいやけど」
「じゃあええやん」
「よくねーよ! いてぇし」
「自業自得やん。あんこをなめたアンタが悪いって」
「おまえには労る気持ちがねえのか……」
「はいはい、お大事に。……ふはっ」
「おい、棒読み。しかもまだ笑っとるし」
「だってー……ははっ」
笑うのをやめようと思っても、それでも笑いは止まらなかった。
火傷した相手に向かって笑うなんて不謹慎かもしれないし、自分でも何がそんなにおもしろいのかもわからない。
それでもなんだか……懐かしい感覚だなって思ったら、笑えてきたんだ。
以前は、月島との会話はこんなのばかりだった。
しっかりしているように見えて、結構抜けているというかアホっぽい一面がある月島。
そのどじなエピソードを聞いて、ウチはよく笑っていた。
気兼ねなく話してくれる月島と過ごす時間が心地よくて。
ほんまに……楽しくてしゃあなかった。
平気な顔してあの子の話を聞いている最近よりも、ずっとずっと楽しかったんやよ。