カリスマ社長に求婚されました
ホテルを出るとメイン通りは、仕事終わりのビジネスマンやOLさんのグループで賑わっている。
今日は金曜日だから、どこか飲みにでも行くのか、みんな笑い声をあげて楽しそうだ。
その人たちに比べると、私はどこか虚しさを感じるけど、ellの現場の一員になれていることが、そもそも夢のようなもの。
さらに、それを創ったカリスマ社長が恋人なのだから、贅沢を言っていてはいけない……。
と自分に言い聞かせながら、デパートに向かっていると、
「茉奈ちゃんだよね?」
背後から声をかけられ振り向くと、そこには蓮士さんがいた。
「えっ? れ、蓮士さんですよね……?」
まだこの辺りにいたのか……。
いぶかしげに見ていると、蓮士さんがクスッと笑った。
「そうだよ。さっき会ってから、まだ一時間ちょっとだけど、もう忘れた?」
「いえ……。ちょっと驚いたもので。それにしても、後ろ姿でよく私って分かりましたね」
つい身構えてしまうのは、彼が優一さんと仲が悪そうだからだ。
一流外資系銀行マンくらいにしか、素性が分かっていないし……。
「服装と髪型を覚えてたから。それより、どこへ行くの? ホテルとは正反対だけど……」
今日は金曜日だから、どこか飲みにでも行くのか、みんな笑い声をあげて楽しそうだ。
その人たちに比べると、私はどこか虚しさを感じるけど、ellの現場の一員になれていることが、そもそも夢のようなもの。
さらに、それを創ったカリスマ社長が恋人なのだから、贅沢を言っていてはいけない……。
と自分に言い聞かせながら、デパートに向かっていると、
「茉奈ちゃんだよね?」
背後から声をかけられ振り向くと、そこには蓮士さんがいた。
「えっ? れ、蓮士さんですよね……?」
まだこの辺りにいたのか……。
いぶかしげに見ていると、蓮士さんがクスッと笑った。
「そうだよ。さっき会ってから、まだ一時間ちょっとだけど、もう忘れた?」
「いえ……。ちょっと驚いたもので。それにしても、後ろ姿でよく私って分かりましたね」
つい身構えてしまうのは、彼が優一さんと仲が悪そうだからだ。
一流外資系銀行マンくらいにしか、素性が分かっていないし……。
「服装と髪型を覚えてたから。それより、どこへ行くの? ホテルとは正反対だけど……」