カリスマ社長に求婚されました
問い詰められているはずなのに、胸が締めつけられるようにときめく。

側にいてほしかったなんて素直に言われたら、私もきちんと話をしなければいけないと思えてきた。

「実はね、私が優一さんの恋人でもあり秘書でもあることを、よく思っていない人がいるって耳にしたから……」

奈子さんや柊也さんの名前を出すことに戸惑いがある。

奈子さんに関しては彼女の気持ちを知られたくない、その思いで一貫している。

柊也さんのことは、やっぱり告げ口のように聞こえたら不本意だからだ。

と、出どころを曖昧にしたつもりだったけど……。

「そうだったのか。まあ、茉奈のellでの交友関係を考えれば、なんとなく誰から聞いたかは想像つくけど」

と言って優一さんは起き上がると、シャツを羽織ってベッドを降りた。

それにつられるように、私も簡単に服を着る。

優一さんはそのままキッチンへ行くと、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し飲んでいた。

「ごめんなさい……、優一さん。曖昧な言い方しかできなくて……。納得できてないよね?」
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