カリスマ社長に求婚されました
今日のパーティーでの無断の行動には、優一さんはとても怒っていたのに。

そのうえきちんと説明をしないから、幻滅されたかもしれない。

ついさっきまでの幸せの余韻が、一気に冷めていきそうになる。

不安を隠せず彼を見上げると、優一さんが私に不満そうな顔をした。

「距離を置きたいとか、もしかしてシャンプーを別々にしたのもそれが原因?」

「な、なんで分かるの⁉︎」

「分かるよ。その噂は、オレの耳にも入ってる。だけど、それを言っている連中は、はっきりいってやっかみからだ。ほとんどの人たちは、なんとも思ってない。だから、茉奈には話すつもりもなかったけど……」

キッパリと言われて、私は返す言葉もない。

知っていて、黙っていてくれていたんだ……。

「なあ、茉奈。どうして、ちゃんと相談してくれないんだ? そんな噂を聞いて、傷ついたならきちんと言ってほしい」

「ごめんなさい……」

優一さんに話せなかったのは、彼を気遣ってじゃない。

奈子さんへの嫉妬からで、そんな自分が情けなくなってきた。
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