カリスマ社長に求婚されました
話さないつもりでいたけど、奈子さんのことも柊也さんのことも言おう。

優一さんがどんな反応をするのか不安はあるけど、彼に悲しい思いをさせたままでいるのは間違ってる。

「奈子さんと初めて打ち合わせをした日に言われたの。優一さんが私を秘書にしているのは、公私混同だって」

「結局奈子か……。あいつ、なんでそんなに茉奈に絡むんた?」

優一さんは本気で分かっていないらしく、ミネラルウォーターのボトルを握り潰しそうなくらい力んで考えている。

「優一さんに未練があるから……」

「えっ?」

できれば言いたくなかった。

だけど、これを伝えなければ、今まで黙っていた理由が説明できない。

今まで話さなかった罪悪感にさいなまれながら、優一さんの反応を見る。

すると、優一さんは驚きで言葉を失っていた。

きっと奈子さんの本当の気持ちを知って、動揺しているんだと思う。

やっぱり、言わなければよかった……。

「奈子が、オレに未練を持ってるって、そう言ったのか?」

「うん……。優一さんと別れてから、まるで吹っ切れてなかったみたい」

心がイヤな感じでドキドキする。

優一さんは、奈子さんを気にしてしまう……?
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