カリスマ社長に求婚されました
すると、相良さんは穏やかな目で私を見た。

「茉奈ちゃんだから、この仕事をお願いした。それは分かってもらえるかな?」

「えっ?」

それを、どういう意味に受け取ればいいのか、よく分からなくて返事に困ってしまった。

「オレは軽々しい気持ちで、茉奈ちゃんをここへ連れてきたわけでも、何度も抱きしめたわけでもない」

「それは、私も一緒です。 もちろん、不意打ちな場面ばかりでしたけど、相良さんだから抵抗しませんでした……」

ドン底の私を救ってくれた相良さんに、私はすっかり心を許している。

クリスマスイブから三ヶ月の間、相良さんのことが頭から離れることはなかった。

簡単に和也から乗り換えたとか、そういうつもりはないけれど、一方的にフラれた挙句、話し合いすら持ってくれなかった人に、未練を残してもしかたない。

自分なりに割り切ろうと思いながら過ごした三ヶ月は、時間が経つにつれ相良さんで心がいっぱいになっていた。

「茉奈ちゃん、それはオレのことを少しは良く思ってくれていると、自惚れていいのかな?」
< 54 / 287 >

この作品をシェア

pagetop