嘘から始まる恋だった
その日からストレスで食欲もなく体重が増えていかない。
心配する義父と母
「麗奈ちゃん、お腹の子の為にも栄養を取らないといけないよ」
義父が私の横に座り優しく微笑むけど…
聞こえているのに頭の中に入ってこない。
そこへ
「麗奈…お前はお腹の子の母親になんだぞ。お前がしっかり栄養を取らないとその子は育たないんだ。高貴さんとの大事な子を失ってもいいのか?」
義兄さんが、優香と一緒に乗り込んできた。
「……やだ……やだよ」
ポロポロ泣き出す私。
そんな私を見て家族全員と優香はホッとしたと後で聞いた。
「何を悩んでいるのかわかるが、お前が愛した男を信じなくてどうする?高貴さんは俺と優香に約束したんだ。麗奈を幸せにするって…親父にも誓ったはずだ。
そんな男が、おめおめと会長の思惑通りに動くと思うか?」
ブンブンと首を横に振った。
「なら、信じてやれ…お前は今は高貴さんとの大事な子を産むことだけを考えて栄養を取るんだ」
「そうだよ。麗奈が弱ってたらお腹の子に栄養がいかないんだから…」
「優香…お義兄さん、ありがとう」
「…お義兄さんか……お前のにいちゃんだからな…麗奈が弱っていたら励ますのは当然だ」
顔を真っ赤にして照れる義兄。
「…ふふふ。兄妹だもんね。お義兄さん、この子がいちご食べたいって言ってる」
義兄さんが手に持つ買い物袋を見て微笑んだ。
「おっ、そうだった。俺らからの見舞いだからな」
優香の手を握り微笑む義兄さん。
やっと、お互いに私達の中のわだかまりがなくなったのかもしれない。
母が洗ってくれたいちごを囲んで、正確には私1人が黙々と食べているテーブルに義父と母、そして義兄さんと優香がお茶を飲んでいるのだが…
「そういえば…大和の創立パーティの招待状届いてたけど」
母の言葉に
「そうだったね…麗奈ちゃんも元気になったようだし一緒に行こうか?」
義父がとんでもない事を言い出した。
「……えっ……な、なんで?どうして招待状がうちに来るの?お義父さんの会社にじゃないの?」
「どうしてだろうね…」
ニコニコ笑うだけで、全然不思議そうじゃないんですが……
義兄さんを見ても優香を見ても笑うだけで…
「意味わかんないんだけど…それに、どうして私が行くの?会長に見つかったらつまみ出されるよ」
「堂々と行けばいいじゃないかな…僕の娘なんだから…」