嘘から始まる恋だった
⁈
「麗奈ちゃん、もうそろそろ高貴君に会いに行くべきだ。赤ちゃんの事を君の口から伝えるチャンスだよ」
「……伝えたら……高貴は今の地位を捨てない?」
お義父さんの目を見て問う。
「どうするかは僕はわからないよ。彼が大和の社長になる為に君を選ばないかもしれのに、一体何を心配しているんだい?」
「私…高貴の夢を壊したくないの。この子の事を伝えたら喜んでくれると思う…だけど、その事で諦めてほしくないから会長の言葉に従ったの。彼の邪魔になりたくない。だけど、ね…離れて辛いの。彼が他の人と結婚するのも辛いの。わたし……どうしたらいい?」
義父に心の内を打ち明けると次々と溢れてくる涙。
そんな私の肩を優しく抱きして頭を撫でてくれる。
「……高貴君に麗奈ちゃんの気持ちを打ち明けてごらん。そうすれば、答えは出てくるはずだよ」
「……」
「高貴さんの答えがなんだろうと麗奈にはここにいる家族がいるのよ。あなたとその子ぐらい私達が面倒みるから、ウジウジ悩んでないでぶつかって砕けるなりしてきなさい」
人を指差して相変わらず、行き当たりバッタリな物言いの母に唖然とするけど、母なりの力強い励ましなのだと思うと笑えてくる。
そんな母を見て優香も義兄も、そして義父も苦笑しながらもウンウンと頷いているから…なんだか勇気が湧いてきた。
「……うん…どんな答えでもこの子を生むって決めた以上、高貴にも知る権利あるものね」
「よーし、それなら麗奈ちゃんのドレス用意しなくっちゃね。あっ、でもお腹目立ってきたし着物にする?」
少し大きくなってきたお腹
それよりも、気になるのが胸が異常に大きくなって恥ずかしい。
「……着物がいいんじゃないかな⁈お母さん、せっかく……麗奈ちゃんのパーティーなんだから新調しておいでよ」
「……せ…『お父さん…いいこと言うわね。何色がいいかしら?麗奈ちゃん色白だから朱色とか若いからピンクもいいわね』」
お父さん…せっかくってなに?
突っ込みたいのに、浮かれ始めた母の声にかき消された。
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その次の日から行動の早かった母によって誂えられた振り袖は、真っ白な振袖に、淡いピンクのぼかし模様と落ち着いた真紅の裾模様が。牡丹や桜、菊などの花々が幾重にも重なっている。帯に描かれた「宝相華」が描かれていて優雅さと気品のある装いに仕上がった。
「素敵よ。ねぇ、お父さん」