そのキスで教えてほしい
「私、崎坂さんに振りまわされたんだから。顰めっ面をしている崎坂さんを可愛いって思ったっていいじゃないですか」

そう言ってちらりと彼を見ると、困ったような顔をしている。

「別に振りまわしたつもりはないし、可愛いとかやめてくれ」

決まりの悪い顔をしている崎坂さんにまた口許が揺るんてでしまうのを抑え、一度視線をそらし私はそばにある長椅子へ腰を下ろした。

「十分振りまわしてました。キスして、不適に笑って、軽そうな感じで迫ってきて! 私、よく堪えたと思います」

「俺は由麻をおとしたかったんだから、いろいろ仕掛けて当然だろ」

「でも、すごく悩みました」

本当に。崎坂さんの行動にどうしたらいいのか、私はいつも戸惑っていて。

自分の気持ちをどうすればいいのか、崎坂さんのことばかりを考えていた。
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