そのキスで教えてほしい
好きって認めるのも怖かったし。
想い合っていることを知ったから、今はいいけれど。

少しだけ口許を緩めた私が崎坂さんを見ると、彼は眉尻を下げてこちらを見ている。

私ははっとした。
崎坂さんにそういう顔をさせたかったわけじゃないのに。

「あの、崎坂さ……」

「ごめんな」

ゆっくりと歩いてきて隣に座った崎坂さんは、そっと私の顔を覗くように見た。

「由麻を悩ませたことは反省する。でも、由麻をその気にさせたくてしたこと」

「わかってます、大丈夫。おかげさまでこうしてほら、私は崎坂さんに夢中」

そう言った私に崎坂さんが驚いたように目を開いたものだから、恥ずかしくなって視線をそらしてしまった。

「最初からずっと崎坂さんにドキドキして……木村さんと抱き合っていたと勘違いしたときショックだったのは、すでに崎坂さんに惹かれていたから。一緒に出掛けたとき、崎坂さんの気遣いが心地よくてもっと惹かれました」
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