そのキスで教えてほしい
あまりの衝撃に私はひっくり返ってしまうかと思った。

やはりそう思われていたんだ!

「誤解です!」

「いいんだよ別に」

「ち、違います! あれは、崎坂さんがあまりにも綺麗でかっこよかったからつい!」

と、言ってしまってから気づいた。興奮してとんでもないことを言っていることに。

綺麗でかっこよかった、なんて、間違いなくそうだったんだけど本人に言ってどうするのよ!

あまりの恥ずかしさで目の前がくらくらしてきた。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、崎坂さんは穏やかな笑み、いや、悪戯な笑みを浮かべて上体を少し傾け、わたしの顔を覗くようにして近づいた。

「そんなこと言われちゃうと黙っていられないんだけど」

「っ……」

甘く囁かれて、鼓動が勢いよく速くなる。
きっとここは「何がですか?」と笑って流すべきなのに、言葉が出ないまま。

「嫌がらないってことは、いいってことかよ」

――いいの? 私、どうしてなにも言えないんだろう。

「昨日あんなに見つめられたから、俺いま鈴沢にすごい興味持ってるし。……まさか、こういうことがわからないほどウブいってことはないだろ?」

すっと伸びてきた左手が私の顎を軽く掴む。そして親指がゆっくりと、唇をなぞるように動いた。
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