私の嘘を完成させて

「言いたい事は山の様にあって
もう一発殴りたいけど。」

「ごめんなさい…」

尚人さんは昔からこうだ。

お節介で後先考えないで
行動に移すところ。

実際迷惑だって思うところがある反面
その行動力がすごく羨ましくて…

尊敬する。

「とにかく私はあの5人に
深く関わるつもりはないよ。」

「・・・」

「私は私でこの場所を卒業する。」

「…南那は強いな。」

優しく笑う尚人さんの顔は
どこが寂しそうで

その顔に私は気付かないフリをした。

「尚人さんありがとうね。
赤の他人の私にここまで良くしてくれて。」

そう。尚人さんは
全くの赤の他人。

身寄りのない私を拾ってくれた人。

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