私の嘘を完成させて
「おーい」
あ。やばいぼーっとしてた。
顔を上げると、
一番優しそうな眼鏡をかけた
これまた美形な男が
綺麗な笑顔で聞いてくる。
もう誰でもいいか。
この人達の中にこの部屋の主をいるだろ。
「隣に越してきた神田(カンダ)です。
宜しくお願いします。」
小さなお辞儀をして持っている
紙袋を目の前の眼鏡さんに差し出す。
「これ、つまらない物ですけど…」
尚人さんごめん。
中身も知らないくせに
つまらない物とか決めつけて…。
「ありがとう。でもごめんね。
俺らここに住んでないから。」
住んでないのかよ…