私の嘘を完成させて

中庭に着くとその子は
ベンチに座って本を読んでいる。


話しかけていいのかな…
本読んでるし邪魔しない方がいいのかな?

「あっ。」

ジーッと見ていて視線を感じたのか
こっちに気付いた。

「えっと…堀さん」

女の子とまともに話すのなんか
久しぶりだから何となく緊張する。

「神田さん…えっと、その。
ごっごめんなさい!!」

「はい?」

持っていた本を芝生に落として
勢いよく謝ってくる堀さん。
謝られるとは思わなったから
思わず変な声が出る。

「私、神田さんに言わないでって
言われてたのに…生徒会の皆に
喋っちゃったから…」

目に涙を溜めながら
必死で謝ってくる姿は
ほんとに可愛くて…

「ううん。ありがとう。
助かった。」

落ちている本を拾って
堀さんに差し出す。

「でも…私がもっと早く
皆に教えてれば…神田さん
そんな傷だらけにならなくて
済んだかもしれないのに…」

控えめに本を受け取る堀さんは
本当に申し訳なさそうで…




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