旦那様は、イジワル御曹司~華麗なる政略結婚!~
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こうして、私の脱走大作戦は幕を閉じた。
結城のSPやらドレスショップやらを巻き込み随分と振り回してしまったけれど、颯の指示で両家の騒動にはならずに済んだことはありがたい。もちろん藤波にもお咎めなしだ。
けれど何よりも嬉しいのは、私の生活が大きく変わったことだ。
警護とフットマンを必ずつけることを条件に、ついに外出の許しが出たのだ。さらに事前に颯の許可を得れば、ホテルに客人を招くこともOKになった。
スマホも解禁となり、家族と一部の友人という制限はあれど電話やメッセージのやりとりも自由になって、私はようやく念願の自由を取り戻したのだった。
しかも、それだけではない。
「今のは完全にアウトでしたー!」
「はあ!? どう見ても余裕でインだっただろうが!」
「やっだー、颯ってばもう老眼? ライン超えまくってたのが見えないのー?」
「お前なあ、負けそうだからって往生際悪すぎんだろ! 子供のズルかよ!」
「もーまた喧嘩してる~。マナも颯さんも、勝負ならテニスでつけなよー」
あのときの約束通り、颯は私にテニスクラブへ通うことを許してくれただけでなく、一緒にプレーするようになってくれたのだ。
まあ、どちらも負けず嫌いなのですぐにこんな風にしょーもな言い争いになっては、ゆーちゃんに窘められるんだけど。