旦那様は、イジワル御曹司~華麗なる政略結婚!~

***


翌日。婚約者との顔合わせのために用意された場所は、結城のホテルグループが所有する都内の宿泊施設。

2万平方メートルという巨大な敷地に西洋の宮殿建築を模して建てられたそれは迎賓館を髣髴とさせる。

古典主義様式の室内はまるで中世ヨーロッパのお城みたいで、石膏の浮き彫りで装飾された壁にスェーデンクリスタルのシャンデリアがピカピカの床に映り込んでいた。

さすがは日本トップクラスの結城財閥御曹司さまってとこか。そんじょそこらの一流ホテルとはワケが違う。

晩餐の席に通される前に控え室に案内された私は、そこでアラベスク装飾の施された椅子に座ってまずはひと息つくとする。どうやらこちらの部屋はムーリッシュ様式で統一されているらしい。さっきまでのお城みたいな煌びやかさとは違った荘厳な豪奢さを感じる。

「堅苦しい……」

コキコキと肩を竦めて呟けば、隣で待機している藤波にひややかに睨まれた。
 
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