旦那様は、イジワル御曹司~華麗なる政略結婚!~
颯も次期総会長として非のうち所がない出で立ちや品格を持っていると思っていたけど、やっぱり現会長夫婦は別格だ。
改めて自分はとんでもないところに嫁ぐのだなと実感し、肺が少し苦しくなる。
けれど、そんな緊張感すら見抜いているのか、おじさまもおばさまもにこやかに私を気遣ってくれた。
「今日は身内ばかりの食事会だ、堅苦しくならず楽にしなさい」
「そうよ、リラックスして楽しんでね。それにしても真奈美ちゃん、本当に綺麗になったわね。ええと、前に会ったのは八年前かしら」
颯にエスコートされ席につくと、そんな和やかな声をかけられた。おばさまの話に記憶の糸をたぐりながら、私は昔のことを思い起こす。
「そうですね。前回パーティーでお会いしたのは、私が十五歳のときでした」
おじさまとおばさまと対面するのは、実は今日で三度目だ。
一度目は七歳のとき。婚約が決まってすぐ、結城の所有するホテルで両家の顔合わせがあった。
両親、祖父母、そして本人たちとまさに全員集合の華やかで厳かなものだったけど……正直、まだ幼かったゆえに私はあまり覚えてない。
その頃はまだまだ色気もなく腕白だった私が、六つも年上の婚約者に興味を持てなかったのも仕方ないといえよう。初めて顔を合わせる充さんより、ホテルの広い中庭を散策することに夢中だったと、後になって藤波に聞いた。