旦那様は、イジワル御曹司~華麗なる政略結婚!~

今日の颯は王子さま過ぎる。カッコいい。優しい。包容力ある。リード上手い。

彼の王子さまモードに弱い私は心臓を高鳴らせまくりだ。てか、こんなのときめかない女がいない訳がない。

……例え愛のない政略結婚だとしても、颯がこんな風に接してくれるなら、私はかなり幸せだし満足かもしれない。

そんなことを考えたりして、少しの切なさと共に胸はますます勝手に高鳴ってしまう。

すると、部屋のドアをノックする音が響いて廊下からメイドのさやかの声がした。

「颯さま、真奈美さま。ご入浴の用意が整っております」

それを聞いて顔を上げると、優しく微笑む颯と目が合った。

「お前先に入ってきな。疲れてるだろ」

だーかーらー、そんなに優しくされるとこっちの心臓がもたないんだってば!なんて嬉しい悲鳴は心の中でだけ叫び、私はニッコリと頷くと「ありがとう、そうさせてもらう」とソファーから立ち上がった。
 
 
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