旦那様は、イジワル御曹司~華麗なる政略結婚!~

……ちょ、超イケメン!!

思わず目を瞠ってしまいそうになるのをこらえて、慌てて顔を背けさせる。

うっかりと私に手を重ねてしまった人物は、なかなかお目にかかれないレベルのイケメンさんだった。

この熱帯夜に堅苦しくスーツを着ているというのに、まったく暑苦しさを感じさせないクールな雰囲気。

長い睫毛に高い鼻、なのにくどくないサッパリとした顔立ちなのは目元が涼やかだからだろうか。とても凛としたたたずまいなのに、口元だけは少しあどけない印象があるのが可愛らしい。

百八十センチ近くありそうな身長、清潔感のあるセミロングヘアー。そしてセンスも良く仕立てのいいスーツ。

か……完璧だ! 完璧イケメンだ!!

思わぬ眼福にうっかり顔がニヤけてしまいそうになる。しかし。

今の自分の格好を思い出して、私は恥ずかしさと後悔で密かに心の傷を負った。
 
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