【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
組員さん達がもった鉄の棒でクルッと逆上がりをしてみせる。
そして手をふってしっかりアピールをしている。
「あの歳で出来るとはたいしたもんだ」
「何れ出来なくなるのよ」
「そりゃ姐さん仕方のねぇことやろ。あっしだってもう出来やしねぇさ」
出来ないという言葉を聞いた由香里さんの嬉しそうな事。
その姿を微笑ましいという感じでみんなが見つめていた。
菫なりのおもてなしをあれこれ受けてからお酒を飲み始めた。
この部屋の中に今日は三浦さんと桐生さんもいる。
話しをふられる数は三浦さんより桐生さんの方が圧倒的に多い。
一種の洗礼みたいなもんだろう。
三浦さんの顔を見て私が笑うと桐生さんの方をチラッと見てから少し表情が和らぐのは自分も経験してきたからだろう。
「桐生も三浦のように神器と言ってもらえるようにならねぇとな」
「へい。精進いたしやす」
やけに硬い。
「きーたん怒られてるの?」
心配そうな菫に隼は優しく
「誰も怒ってない。菫の事をよろしくって言ってんだ」
「琉くんは誰が遊んでくれるようになるの?」
遊んでくれる人…
菫にとってはやっぱり気楽な感覚だ。
でも、琉に誰がつくのかという事は考えた事がなかった。
琉ぐらいの時にはもう桐生さんに目をつけていた菫だが琉はそれがない。