【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち


他のものになりたいという夢を持ったらと思うと今から心配だ。


「あっしの最後の仕事だと思ってるんでごぜぇやすよ。


坊ちゃんが将来何になろうとも決して屈しない信念をもつ男。


そんな風に育つ手伝いがしてぇじゃねぇですかい。


若も結衣さんもそれが一番の望みでごぜぇやしょ」




最後の仕事という言葉はとても淋しい。


だけど植木さんの考えはとても嬉しい。


「極道って定年みたいなのがあるの?」


「身を引くんだ。自分の最後は自分が決めて身を引く」


「なに、今日、明日ってわけじゃねぇよ。あっしだってまだまだ引退する気なんざ微塵もありやせんからね。坊ちゃんの進む道が決まるまでは石にかじりついてでも引退なんざしやせんよ」



嬉しくてちょっとにやつくのは私だけで


「琉に恨まれねぇか」


「気の休まる時がないわよね」


「親父、何とかしろよ」


こちらの親子は小声で相談。




「結衣、どうする」


仲間へ引き入れようと隼が私の名前を呼んだ。


「大賛成!植木さんにお願い出来るなら植木さんがそう思って下さるなら母親としてこんな嬉しい事はないわ」


「菫もいい!琉くんは、うーさんがいい」


喜ぶ私と菫に


「ほーっ」


そんな声が聞こえるのは遠山さんたちから。




「いい花道になるじゃねぇか」


「気合いが入るってもんやないかい」


「あぁ。坊にとっても植木にとっても名案ばい」



万が一琉が極道の道を選んだら箔がつくとか


植木さんが思う最後の大仕事というならとか


琉にかまって自分たちの監視が薄れるとか


コソコソと話しは賛成の方に流れつつあるようだ。






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