【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち




「結衣、落ち着け。大丈夫だから」


これが落ち着いてなんていられますか。


相手だって絶対に司に手を出そうとしたと思う。


ボコボコにされたのは司の方が強かったからで相手が強かったら今頃司は重症だろう。


それなのに司が捕まっちゃうわけがわからない。



「仕方ねぇよ」


「納得いかない」


真っ赤になって怒る私に響さんは吹き出していたけど納得いかないものはいかない。



「佐和子さんは大丈夫なの?」


「あ?佐和子?夫婦で飯食いに行くって行ってたぞ」


「それ、心配させるからそう言っただけで警察に行ってるって」


「行ってねぇよ」


響さんは笑いながらスマホを取り出すと電話を掛け繋がると結衣に代わると言って私に手渡した。




「佐和子さん」


「結衣ちゃん2日ぶり!子どもたちは元気?」


至って普通過ぎて響さんの顔を思わず見てしまった。





「今ね、貴とお寿司食べてに来てるの。すっごい美味しいよ。今度由香里と3人で来ようよ」



「佐和子さん?司が」


「あぁ。何、心配してたの?あははは。司を心配してるのは結衣ちゃんだけよ」



響さんはいかにも だろ?という感じで私の顔を覗き込んだ。


これは言葉が発せられなくても私にも読み取れた。



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