【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
お茶を入れに立つと菫も立ち上がった。
「どこ行くの」
「わーさんに佐和ちゃんが来るって言ってくる」
「気が利く子だ」
由香里さんは大笑いしながら6人追加と菫に伝言した。
6人…ってことは龍崎組と澤村組か
一緒に夕食を食べる人を考えている私の横で明日実さんは、本当に菫は1人で行けるのかと由香里さんに聞いている。
確かめに行こうと立ち上がった姿に
「明日実ちゃんはたどり着けないからやめときな」
「その通り」
「絶対無理」
私たちが出した答えに身体を震わせて笑っていた。
お茶を入れるついでに食堂へも急いで行くと渡辺さんに
「やっぱり気は心?」
不思議そうな顔をした渡辺さんにお豆腐が欲しいと笑うとそのままお豆腐をポンと手渡してくれた。
「このままなの?お皿に入れなくていいの?」
笑いながら小さく切ってお皿に乗せてくれた。
「お醤油とかおかかとかショウガとか載せないもの?それにこんなに小さくていいの?」
「のせちまったら意味がねぇでごぜぇやしょ」
「そうなの?だったら小さい方がいいわよね。さすが渡辺さん」
お箸と一緒にお豆腐を持ちお茶を入れると一緒のお盆にのせて部屋へと戻った。
司の前にだけ出されたお豆腐に由香里さんと明日実さんは笑いをこらえていたけれど
「結衣、有難う」
「どういたしまして」
嬉しそうに司はお豆腐を食べてくれた。