【完】甘い香りに誘われて 5 極道×やんちゃな女たち
それでもビールがつがれ食事をしながらする会話は物騒だ。
何でもないように箸が進む隼や姐さんたちと違い私1人時々箸が止まってしまう。
ビクツとするたびに
「平気か」
隼に声をかけられる。
「大丈夫。処理能力が遅いだけ」
堅気思考から極道思考へと変換する能力だ。
「結衣さん極道へお嫁に来たこと後悔するでしょ」
明日実さんに言われたが
「それはない。ただ変換処理が遅いだけで受け入れられる」
「変換処理?」
明日実さんと佐和子さんは不思議そうな声を出したけれど
「わかるわ」
「えぇわかりますよ」
由香里さんと明日実さんのお母さんである悠美姐さんは同意してくれた。
「極道と縁を切りたい娘もいれば極道へ嫁に来る堅気の娘もいるのよね」
悠美姐さんは言いながら私と明日実さんを見た。
「切れるもんなら1秒でも早く切りたいわ」
「その気持ちはわかる。兄貴と違って私は藤堂組の娘だって絶対知られたくなかったもの。由香里も兄貴さえまとわりつかなきゃ知らなかったわよね」
二人の出会いを知った今はまとわりつくという言葉が可笑しくて仕方ない。
由香里さんも頷きながら
「佐和子が極道の娘だからどうのって事はなかたんだけど響が極道って事には勇気が必要だったわ」
「私は反対したわよ」
佐和子さんが吹き出した。
「極道である事より本人の魅力の方が勝っていたって事か」
司が言うと嬉しそうに響さんも隼もそして澤村組長も頷いた。
「そこ頷くの私達だから」
由香里さんの一言で私も笑った。
「明日実はこれから現実をもっと目の当たりするわ。司はあれこれ選ぶ予知なし。嫁にきてくれる人がいたらすぐに結婚しなさい。そうだ明日実、明日実が嫁においで」
ゲラゲラと笑う佐和子さんに
「だから極道は嫌だって」
応えながら明日実さんも笑った。