籠のなかの小鳥は
———東宮の筆頭候補は、やはり赤の宮様ではないでしょうか。

あっさりと言う。


「先帝の第八皇子にして、今上帝の弟君。
ご母堂は太政大臣家の姫君です。太政大臣は三年前に亡くなってしまわれましたけど、権門家の威光は衰えておりません。

直系の帝と、臣下の最上位という比類なき取り合わせでございますれば」


ただですねぇ、と声をひそめる。


「あのとおり、型破りなお人柄でございましょう。虚礼を廃し実を求める、と申しますか。
それがために、格式を重んじる面々のなかには、眉をひそめるお方も・・というわけなんでございますのよ」


分かる気がする。


「反面、慕うものも多うございます。
宮様でありながら、武芸にすぐれ、馬も弓も剣の腕も、並の武官では太刀打ちできないほどだそうでございます。
位階のへだてなく、腕のたつ者には自ら教えを乞い、勝つまで諦めないのだといいますから」

かづらは、ふふっと笑った。
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