籠のなかの小鳥は
「皇女の番も、鳥のお姿をされていると聞き及んでおります。
どうかそれを縁と思し召して、ご信頼たまわりたく存じます」

これは、と自分の腕の早蕨にちらと目をむける。


「力や速さはさほどございません。なれど、目はとても良いのです。
天の高みから、皇女をお見護りいたします」

あ、ありがとうございます、と反射的に礼の言葉を口にする小鳥に、一同は困り顔だ。


自分よりずっと年かさの人たちに、敬語を使われ丁重に扱われる環境に、相変わらず慣れずにいる。


車にお乗り下さいませ、女房にうながされて、牛車に乗り込む。

初めて乗る牛車。眠気をさそうような振動と、獣の臭いに満ちた、うす暗い空間だ。
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