Believe
⑶彼の正体
それから彼はまる一日眠り続けた。
何度か様子を見に行ったが、目覚めそうな気配はなかった。
いつ目を覚ますか分からなかったため、申し訳ないと思いながらも部屋には鍵をかけておいた。
もしも彼が危ない人だったら…。
そんな気はしなかったけど、確かめるまでは安心することはできなかった。
私は一日ソワソワしながら過ごし、父が寝室に入ったのを見送ってから急いで屋根裏へ向かった。
ガチャン!
と、鍵を外す音が静まり返った教会に響いた。
私は持ってきた大きな荷物を抱えると、静かに部屋へ入った。
「…誰だ?」
「きゃっ!」
背後で声が聞こえ、私は自分で自分の口を塞いだ。
「…あぁ!目が覚めたのね!
よかったわ。どう?具合は。」
ベッドに歩み寄ると、彼は黙ったまま冷たい視線を私に向けた。