Believe
もしかして一昨日の夜の事を覚えていないのかも…。
「私はカノンよ。
ここは私の父が牧師をしている教会の屋根裏部屋…。
鍵を掛けたのはごめんなさい。
誰かに見つかったり…あなたのことをよく知らなかったから…。」
でも彼は「そんなことはどうでもいい」と言うように視線を逸らした。
「…手当はあんたが?」
あんたって!
「そうね。あなたがお医者様を呼ぶなと言ってから倒れたから私がしたわ。」
私はカチンとしながら答えた。
「…へぇ。」
彼は意外とでも言いたそうな目で、マジマジと傷を覆う包帯を見たあと、今度は私を上から下までジロリと見た。
本当に感じが悪い…!
早く動けるようになって出て行ってもらわないと!