才川夫妻の恋愛事情
低く掠れた声で名前を呼ばれたと思ったら、返事をする間もなく唇を重ねられた。
予想していた非難の代わりに、キス。
「ん、才っ……ちょっ、と……」
親指と人差し指で耳をさすりながら、ちゅっ、ちゅっとキスを繰り返してくる。
起きていたのかと思った。本当はずっと起きていて、見つめていた私をからかうようにこんなキスをするんだと。だからちょっとたしなめれば止まってくれると思った。
「ッ……はぁッ……。んんっ……!」
でもキスはいつまでもなかなかやまずに。どんどん深くなって、気付けば上から押さえこまれるようなキスに変わって、飲まされた唾液に咽返りそうになる。広いベッドの上で才川くんは自由だった。
「……っは。………あっ、ん……やっ……」
やっと口から離れた唇が今度は首筋を這って、彼の手がごそごそと不穏な動きを始める。
……また朝から!? そんなに朝からがいいの!? と混乱しながらも、触れたがる腕を捕まえて必死に阻止する。才川くんは私の名前を呼んだきり特に何も言わず、ただ本能的とも言えるマイぺースさで首に口付け、たまにべろりと舐めあげた。
その感触にうっかり、彼の好きなようにさせてしまいそうになった。だけど。
…………今日は平日なので!
「っ…………才川くん!!」