狐の婿入り
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「待て!小僧!」

何処からか、老けた声が聞こえた

めんどくさいな、なんて思いながらも声のしたところに足を運ぶ


「―――助けて!誰か」

「おじさん?逃がしてあげればいいじゃないですか?用があるなら僕が聞きますよ?」

そういうと、チッと言ってそそくさに
歩いて行ってしまった


「あ、あの…………。
この度は助けていただき誠に有難う御座いました。何か御恩をしたいのですが」

「いや、いいよ
それに、僕は何もしてないしね」

「で、でも!!」

「良いって言ってるの。
それとも君、僕に拾ってほしいの?」


そう言うと、黙りこんでしまった

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