二度目の恋
「親父、俺は田宮美奈と結婚する。20年前の……あの時の子供、美奈が苦労しながら大切に育ててくれた。名前は遥輝だ。今年で20歳。俺に似て男前だ」
そう耳元で話しかけても
三木田社長は反応しなかった
一輝のお母さんは
口を手で覆い、声を殺して泣いていた
なんとも言えない……
すると、遥輝が一輝のそばへと移動した
眠っている三木田社長をじっと見ていた
「……やっぱり。……俺、この人と会ったことあるよ」
遥輝の言葉に私も一輝も驚いた
なぜあったことがあるのか……
偶然なんだろうか……
遥輝が小学生の頃
急いで帰ろうと走っていたら
人とぶつかってしまった
その相手が三木田社長だという
遥輝はきちんと謝り、三木田社長に怪我がないかを尋ねた
問題ない、と返答がきたから
もう一度謝り、その場を後にした