二度目の恋


その日から、何度か三木田社長を見かけては「こんにちは」と挨拶をして、顔見知りになったと言う


1ヶ月くらい続いたある日
三木田社長に声をかけられ
公園のベンチで、学校のことや家族のことを聞かれ、普通に答えたと言う


「……もしかしたら、俺が孫だって知っていたんじゃないかな?」



まさかっ……
……けど、本当だったら?


「あの時は不思議に思わなかったけど、あの時、美奈ちゃんのことしか聞かれなかった。普通さ、母親のこと聞くなら「お父さんは?」って聞くでしょ?初めから俺には父親がいないって知ってたんだよ」



まさか……そんな事が?



「……言ってくれたら良かったのに」


遥輝はそう言って、皮と骨だけの三木田社長の手の上に手を置いた
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